アンドロギュノス

【設定から演出まで】自分で描いた漫画を自分で解説する。その1【自作自演】

こんにちは! お絵描き大好き愛餓え男です。

 

先日、【レポ漫画あり】サークル新設してオリジナル漫画作って冬コミに出た話という記事を描きました。今回は、はじめて描いた漫画であるその原稿を一ページずつ説明する、という恥を知れ! 的な企画をやってみたいと思います!!

それではさっそく始めましょう!!

P1:アンの登場

場面

主人公の一人、『アン』の登場シーンです。この漫画は、このページから描き始めました! 以降も、基本的にページ順そのまま描き進めています。

アンは何か大きな洞窟の入り口に立っています。手で庇を作って洞窟を見上げており、見にくいですが、もう片方の手を腰に付けた剣の柄にかけています。

そして「ギュノス、置いてっちゃうよ〜」と声をかけると、背後の崖に誰かの手がかかります。

アンについて

画面右にいるアンは、漫画の『掴み』にするため大きく全身を描きました。ちなみにこの漫画は一か月ほどで制作しましたが、キャラデザをしっかりしないまま描き始めましたので、アンの立ち絵はデザイン画を兼ねています笑

ほかのキャラクターも基本的に初登場シーン=デザイン画です。ものすごく後悔したので、皆さんはちゃんとキャラデザをしてから漫画を描き始めることをおすすめします。

『竜の女の子』と何気なく描いていますが、このあたりの設定は本編では出来ませんでした。話すと長くなるので、このへんの設定の話は後にまとめてやりたいと思います。

かの藤田和日郎先生も、その著作『読者は読むな』で「短編のキャラも、まず最初に80体は描いてから執筆する」とおっしゃっていました……。

この本面白かったのでお勧めです!

とはいうものの、アンのデザインもさすがに全てが見切り発車だったわけではなく、以前描いたイラストが原案になっています。
こちらがそのイラスト。2017年に描いたものです。

アンに関しては『「可愛い!』と思ってもらえるような外見にしよう』というコンセプトしかなく、服装などの細部はほとんど考えてません。色気があったほうが掴みになるのでビキニにすることは決まっていましたが、あとはそれこそ描きながら考えていました。画面の納まりとかもありますしね。

次はもっとちゃんとデザインしなきゃなあ。

演出

漫画の話に戻って、最初のページでは伝えたいことがみっつありました。

①アンの姿と名前
②舞台となる洞窟の入り口
③アンが明るく可愛いということ

名前を読者に伝える方法は①他のキャラクターに呼ばせる、②自分で言う、③アナウンスするという三つの方法があると思います。「アン」という覚えやすい名前にしたのも名前を覚えてもらいやすくするためです。

ページの最後に、次のページの『ヒキ』を作ってみました。この手は一体誰のものか? どんな姿なのか? というちょっとした疑問をもたせる形です。

ちなみにこの漫画は左始まりなので、次のページはめくらないとみられない配置になっております。

2P:ギュノスの登場

場面

崖の下から現れた少年・ギュノス。アンがギュノスの手を引いて、崖に持ち上げます。

ギュノスについて

このページで主人公の一人『ギュノス』が登場します。「主人公はできるだけ早い段階で出した方がいい」と藤田先生も著作でおっしゃってましたので、できるだけ早く出しました。

先ほども言った通り、ギュノスもこのページを描きながらデザインしました。Tシャツに短パンとものすごくシンプルな服装をしています。描きやすいからです。

ちゃんとした設定画を起こしていないので、服装を複雑にするとコマ毎に戻ってチェックしなければなりません。なので、こんな感じでいいかな、という程度で深く考えませんでした。

アンがまあまあ変な格好なので、シンプルで却ってよかった気もします。

演出

アンを縦長のコマで説明したので、ギュノスは横長のコマで登場させています。そのため、どっちかというとアンがメインという印象になってしまっています。これはちょっと失敗でしたね……。

まあ、もちろん後悔しているところはその他にも数えきれないほどあるのですが、あまり言うと愚痴っぽくなってしまうので、次回作では気を付けよう! ……と決意して終わりにします。

アクションとしては、アンがギュノスを崖から引き上げることで、重要になる「手をつなぐ」描写と、二人が協力関係にあることを分かりやすく示したつもりです。漫画の表現がよく分からなくて、どうコマを繋ぐかがかなり手探り状態です。

3P:カメラが引く

場面

急ごうとするアンに、ギュノスが文句を言って軽いいがみ合いになる。カメラが大きく引き、ギュノスが登ってきた道のり……高い塔のような崖をうつす。

演出

ここまでかなりカメラが寄った状態で進んでいたので、一度大きく引いています。ここがどういう場所か? ということを読者に分かってもらおうと思いました。

カメラ位置が登場人物に近い(アップショット)と、主観的な表現になって主人公たちに共感しやすくなります。逆にカメラ位置が遠い(ロングショット)と客観的に漫画を見る構図になり、場面や状況説明的になると本で読みました。そして、両方をバランスよく配置すると読みやすく、分かりやすい作品になるとのことです。

ギュノスがあんなに疲れていた理由もこのロングショットで分かると思います。同時に、普通の人間ではないということも少し分かります。

でも、どういう人間なのか……など細かい設定はやっぱり入れられませんでした。40Pに入れ込める情報量が、まだ全然分かってないってことですね。勉強しなければ。これについても後で解説します。

とりあえず、世界観が「ファンタジー」なのはアンの姿やこの描写で伝わるかと思って描きました。ある意味で、「この作品がどこまで嘘をつくか」という線引きと言うのでしょうか。

漫画はもちろん、創作表現というのは言ってしまえば全部嘘です。ですが、嘘をつくにもルールがあり、ルールから外れた嘘をつかれると読者は白けてしまい、離れます。

だからこのページでは、「この作品はリアリティがあるけど、異常なパワーを持った架空の人類が存在する世界であって、現実世界とはかなり違った世界観ですよ」という説明をしている感じです。

ほかの絵的な話題としては、吹き出しの入れ方が当初よく分からず、背景をしっかり描いてしまってセリフを入れる場所に困りました。なのでフキダシをうっすら不透明にして、背景の描き込みも少しだけ見られるようにしました。

一番下のコマはものすごく引いたアングルでアンとギュノスの居る塔を映していますが、アンとギュノスの表情だけは分かるようにしたいとフキダシに顔も入れています。


大きくカメラを引いて背景をうつすと同時に二人の表情も分かる。

たまに見ますよね? この技法。少女漫画発っぽい気もしますが、誰が始めたんでしょう……。非常に便利です。

割とシリアスな話なのですが、最初はあえてコメディっぽくしています。「漫画の最初と最後で雰囲気を変えるといい」と聞いたからという理由と、単純に気楽にネームを切っているからだと思います。後半はもっと重い雰囲気になります。

あと、洞窟の中の話なのでここで大きく空を描いています。「抜けのいい画面」ってやつですね。

あと、太陽光は最後に発光レイヤーで入れたんですが、印刷すると全く見え方が変わるので安易に使わない方がいいと思いました笑

4P:アンの表情を見せる

場面

二人の言い合いをBGMに、高くそびえる塔をうつす。足元には森が広がっており、遠くには山が見える。

アンがギュノスを急かし、ふと「あいつ」のことを思い出して切ない表情になる。

演出

アンの登場→ギュノスの登場→二人の会話と場面描写、ときて、このページでは物語の目標が洞窟の中にあること、二人がそれなりに大変な思いをしてここにたどり着いたこと、誰かを探してここに来たことが分かると思います。

ポイントはアンの表情です。人は表情からいろいろなものを読み取ります。こういうセリフのないコマがあるといろいろ想像しませんか?

アンが「あいつ」に対して複雑な感情を抱いている、ということが伝わるといいなあと思って描きました。

5P:タイトルバック

タイトルです。実はこのタイトルの文字は、オリジナルフォントです。

デザインが得意な親戚に作ってもらいました。いい雰囲気出てると思いませんか?

最初は手書きの文字だったんですが、文字デザインの能力が低く、クオリティが上がりませんでした。これだと読みやすいしいいですね。フォントなので文字の配置も楽です。

背景は暗闇の水と、あぶくをイメージしています。

タイトルバックを作中に挟むと、すごくおさまりがよくなる気がします。時間経過の表現も出来るし。

 

ところで、この漫画は全部で40ページほどあります。描きたいことが山ほどあるので、すごく長くなると思います。これ一回では終わりません。気長にお付き合いください。

さて、今回の解説はこれくらいにしたいと思います。こちらの漫画『アンドロギュノス』については、近いうちにどこかで無料で読めるようにしたいと思っていますので少々お待ちください!!

最後に漫画の作画環境についてすこしご紹介したいと思います。

 

作画環境

ほぼ全ての作業は、パソコンを使ってやっています。今使ってるのは、仕事して貯めたお金で買った15万くらいのパソコンと、8万くらいの液タブです。

使用ソフトはCLIP STUDIO PAINT PRO で、私の知っている限りこのソフトだけが漫画の作成機能を持っています。まあまあ重いので、パソコンもそれなりに性能の高いものを使ったほうがいいと思います。

プロの方でも使っているソフトで、このソフトが使えればアシスタントの仕事もできるかもしれない! と思って去年導入しました。それまでは『SAI2』というペイントソフトを使っていました。



今回漫画を描いてみて、特別なこだわりがない限りアナログで漫画を描くのは大変すぎるな、と改めて感じました。ただ、私の尊敬する漫画家はみんな手で描いていますし、それに憧れもあります。

実際高校生まで私も「絵は紙に描いてこそだ」と思っていましたし、漫画も紙とペンで描くのが一番で、デジタルで描くのは邪道、絵に魂がこもらないくらいに考えていました。

でも、アナログで漫画を書くのは大変だし、時間もかかるし、その分体に無理が来ます。そして、結局紙とペンだったら作品は完成しないか、しても完成度がもっともっと低かったと思います。
そんなわけで、私はデジタルで描きました。で、描いた結果これはもう紙とペンで描くのは無理だなと感じた次第です。言うまでもありませんが、皆様がどう考えるかは自由です。

紙に描いた方が味わいのある線が引けますし、臨場感や芸術性が高くなると言うのもよく分かります。デジタルはスピーディーで作業性に優れています。

本当に一長一短なので、どっちがいいのか分かりません。どっちがいいんでしょうかねえ。
結論出ませんが、キリがないので以上で終わりです!!

解説はまだまだ続きます。よろしくお願いします!!笑

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