絵を描いていると、もっと上手くなりたいという欲求を持ちますよね。
「ネットやSNSを見ていると上手い人がいくらでもいるのに、自分はなんでこんなにヘタなんだろう…」「このままじゃ、ずっとヘタなままなんじゃないか…」そんな風に悩むこともしばしば。
でも、大丈夫です!イラストは誰でも上手くなります。ですが、実際にどうすれば絵が上手くなるのでしょうか?
この記事では、まずイラストの上達法についての『よくある意見』を私の視点を入れてまとめ、最後に「ほとんどの人の頭から抜けている、絵の上達に欠かせないポイント」を紹介します!
このポイントは、言われてみれば「当たり前だ!」と思うことですが、意外と盲点です!
Contents
イラストが上手くなるための方法として、よくある意見をまとめてみた!
・とにかく描きまくる!
・イラストを模写する!
・イラストの勉強をする!
・イラストを完成させる!
・スケッチをする!
うーん、確かにどれも有効で、正しい気がします! でも、単純にこれだけでは、具体的にどうすればいいのかが分かりません。では、ひとつずつ見ていきましょう!
とにかく描きまくる!
「描きまくれば上手くなる」は暴論!?
イラストをひたすら描き続ければ上達する……これは、確かに間違いのない事実です。どんなことでもずっと続けていけば上手くなりますし、逆にプロはみんなずっと続けているからプロになっているわけです。
しかしこの方法論は、ある意味むちゃくちゃな暴論です。
ただ絵を描き続けているだけでは絵は上手くなりません。絵の上達には、『絵を描かないことも大切』になってきます。「なぜ暴論か?」「どうして絵を描かないことが大切なのか?」については、長くなるので別記事でまとめました。「とにかくたくさん描け」は暴論?をご覧ください。
絵を模写する!
絵画の「模写」は画家もマストの修行として取り入れており、その効果は絶大!
模写のメリット
・他人の技法やデザイン案をそのまま盗むことができる
・イラストの幅を広げられる
・自分の興味のないモチーフ(描く対象)が描ける
模写をすることで、その作家の使っている技法、デザインをそのまま会得することが出来ます。
また、色々な作風のイラストを模写することで、その作家のクセについて理解することが出来、絵柄の幅を手っ取り早く増やすことが出来ます。
他人と自分は趣味、嗜好(好きなもの)が違うため、他人が好きなものを詰め込んで描いた絵を模写することで、自分の興味のないものも描くことが出来ます。これも、描けるものの幅を広げるのに有効です。
でもデメリットもあります!
模写のデメリット
①自分の作品として発表できない
②影響を受けすぎてしまう(絵柄が似る)
③自信を失う危険がある
しかしこれらは考えようによって簡単に回避できます。
模写のデメリットその① 自分の作品として発表できない
模写は元画像の著作権の影響で、自分の作品として発表すると違法になる可能性があります。
二次創作が盛んなご時世、模写をTwitterなどのSNSにアップするぐらいではとやかく言われませんが、模写した絵を使って利益を上げるのは極めて黒に近いグレー。
模写は趣味の範囲にとどめておきましょう。
とくにトレース(なぞり書き)は止めた方がいいですね……。バレるとクソ叩かれます笑(とはいえ、トレースは練習にはなるのでやること自体はいいと思います!)
模写のデメリットその② 影響を受けすぎてしまう(絵柄が似る)
これはよく心配されますが、そんなに気にしなくてもいいです。
絵柄が似たとしてもあなたの絵の個性は消えません。
もし、「個性のない絵」だとか言われても気にしないでおきましょう。模写で消える程度の個性はあなたの本当の個性ではありません。
模写のデメリットその③ 自信を失う危険がある
模写する上で一番気をつけたいのがこちら。自分の絵のレベルよりはるかに高い絵を模写しようとすると、まず上手くいきません。
すると、「私は模写も出来ないのか……」と落ち込みがちです。
最初は複雑過ぎる絵を避け、自分でも描けそう! と思えるような絵を模写しましょう。
模写で重要な点はどんな絵を模写するか。チョイスの段階が最重要です。模写は楽しく勉強になる非常に強力な手段ですが、デメリットも認識した上で行うべきでしょう。
模写はいい事だらけ! でも難しすぎる絵には要注意!
イラストの勉強をする!
この方法が効果絶大なのは間違いありませんが、『イラストの勉強』と言ってもその内容は多岐に渡ります。
では、どういった勉強をしていけば有効かを考えていきましょう!
勉強法その① デッサンを学ぶ
【デッサン】
モチーフをよく観察して、モチーフを見た目そのままに紙に描き出すこと。
デッサンはイラストの上達に非常に有効です。デッサンには木炭デッサン、鉛筆デッサンなどの種類があります。
また、デッサンは個人個人で描き方が異なるイラストと違い、ある程度上達法が確立されています。
ですので、デッサンを学ぶことで間違いなく画力は向上します。
ただデッサンは最初の壁が厚く、きちんとした先生について学ぶことが大事です(独学ですと、かなり苦しい修行になります)。
美術の先生やデッサン教室など、身近で学べるところで習いましょう。デッサンは必ずあなたの力になります。
勉強法その② イラストに関する本を読む!
勉強といえば読書!
イラストの勉強として本を読むのであれば、以下のようなものがあります。
・イラストやツールの技法書など、イラスト技術について学べる本
・解剖学や建物の図鑑など、モチーフをより理解するための本
・漫画や画集、絵本など、インスピレーションを得られる本
もちろん本を読んだだけで直接イラストの技術は上がりません。
が、本を読むことで結果的にイラストは上手くなります!
・描きたいものが増える!
・モチーフについて理解することで、考えながら描くことが出来るように!
・イラスト制作におけるモチベーションの向上!
その他、学校で習うような勉強もイラストを描く上で大事になります!
というか、私はこの世の中のすべてのことがイラストの勉強だと考えています!!!
人生を頑張れば、それだけイラストは上手くなります!
人生のすべてのことがイラストの勉強だ!
あとデッサンと読書は重要
・イラストを完成させる!
『イラストを完成させる』ことはとても重要!
イラストを描いたら仕上げまでしっかり行って、『完成』させてみましょう!
「どこまでいったら完成か?」は人によります。
イラストは、上手くなるほど完成にかかるまでの時間が長くなるという特性があります。
時間をかければいいってものでもないのが、難しいところです。
基本的には、自分で満足いく出来になったら完成でいいと思います!
ラフを沢山描くだけでは上手くならない!
実は、ラフを沢山描くだけではイラストの上達はしません。
ラフを描いているだけでは、「ほかの段階の技術・経験」が身につかないからです。
イラストを完成させるための工程は、だいたいこうなると思います。
キャラクターデザイン
↓
ラフ
↓
線画
↓
着彩
↓
仕上げ
ラフは重要な工程のひとつですが、ひとつにすぎません。
各段階で気を付けるポイントは違いますし、ラフではよかったのに線画にするとイマイチ……という事もよくあります。
また誰かからの依頼であれば、途中経過をクライアントに見てもらい、「ここ直して」「こういう感じに出来ない?」という要望やそれに伴う修正作業が入ります。
この工程は、体験してみなければ身につきません。ある程度自信がついてきたら、ぜひ一度友達や家族から、イラストの依頼を出してもらいましょう!
きっと、あなたにとって貴重な体験になると思います。
ラフを沢山描くだけでなく、きちんと時間をかけたイラストを描くことも大事! 自信が出てきたら、人の要望に沿ってイラストを描いてみよう!
・スケッチをする!
【スケッチ】
デッサンほどでない軽い写生。大まかな全体像をとらえて描く。
野外で風景を描くことを『スケッチ』と言うことが多いですが、ラフデザインのようなものをスケッチと呼ぶ場合もあります。
水彩絵の具などで、簡単に色をつけることもあります。
動物園などに行くと、よく動物をスケッチしている人を見かけるかと思います。それだけ効果があるし、なにより楽しい練習法です。
スケッチの効果
スケッチは昔からよく行われてきた美術の練習法で、スケッチを行うことでモチーフの形をなんとなくとらえ、動きや特徴を捉える事ができます。
スケッチは作品を作るというよりは観察(インプット)のために行うもので、出来た絵の完成度は低くても問題ありません。
動くものを描く、ということで、スケッチを行うとイラストを描くスピードも上がる効果が期待できます!
何よりも、気持ちのいい日光の下でのスケッチは最高!!
気分転換にももってこいです!!
玄関先でも出来る! さあ、スケッチに行こう!!
スケッチを行うと、描くスピードが上がる!
誰も教えてくれなかった、大前提のポイント!!
ここまで『よくあるイラスト上達法』を見てきましたが、いかがだったでしょうか?
では、最後にイラストが上達するための大前提のポイントについて書きたいと思います!!
もったいつけましたが、これはごくごく基本的なこと。しかし、上に書いた何よりも重要です。
それは……
心身の健康
これです!!!!
以下、一見イラストの技術論から少し離れた話になりますが
もっとも重要で根本的なことを書かせていただきたいと思います。
歩こう!!!
イラストを描くという行為は、基本的に椅子に座って行います。そして、長いときには数時間同じ姿勢で描き続けなくてはなりません。これは、超体に悪い体勢です。
人間という生物は、歩き続けることを生活の基本にして生きてきました。生きていくため、食べ物を得るためには、どうしても動く必要があったのです。
それが最近になって急に、一日中座っていても食べ物に困らない生活を送れるようになりました。この変化が起きたのは、人類の歴史から見ると最近。ほんの数十年前のことです。
しかし、2,000,000年前に誕生した人類の体は、まだそんな生活に対応していません!!
依然として、体の調子を良くするための様々な機能が歩行を必要としています!!
つまり「歩くこと、運動すること」こそイラスト上達のための第一歩!!!
さあ、イラストはほどほどにして体操しましょう! 歩きましょう! 運動しましょう!!
イラストは何歳になっても描けます。イラストの上達は長期戦です!
さあ、ずっと描き続けるために歩きましょう!!!
イラストのために生活を疎かにしない
これは自戒も込めて。
これを書いている現在、私は仕事が終わってから深夜に及ぶまでずっとイラストを描いています。
洗濯物や食事もほったらかし…。職場でご飯が出るためまともな食べ物は食べますが、食べるのに時間をかけません。仕事も正直やりたくないので、家を出る時間ギリギリまで粘って忘れ物をすることもしばしば。そんなことよりイラストが描きたい。
でも、これはイラストを描くという長期戦においては、ペース配分を間違えた誤った行為なのです。
みなさん、イラストを描くのがいかに楽しくても、生活を疎かにしないようにしましょう。
ちゃんとしたご飯を食べましょう。
たっぷり寝ましょう。
お風呂にもちゃんと入りましょう。
学校に通ったり、友達と遊んだり、恋をしたり、ふつうの生活をしましょう。
まともな生活をしたほうが、結果的に上手くなります。
きちんと生活してイラストを描き、健康的にどんどん上達しましょう!!!
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
イラストを描くために、歩こう!!
きちんとした生活が何よりも大事!
健康第一!!!!!
おはようございます!
イラストのみならず、様々な分野に通じるものがある大変実践的で勉強になる記事だと思いました!
なにごとも、基本は大切ですし、学ぶ姿勢やものごとをじっくり見つめる習慣も大事ですよね。
それから、村上春樹先生をはじめ、作家さんも体力勝負、基礎体力が大事と書いていらっしゃるようです。
体を動かすことでひらめきがくることもありますし、スポーツに限らず創作活動の継続にも体力が大切です。
その人その人の生き方時間の使い方が作品にも出てくるんじゃないかなあと思う次第です。(私は色々反省すべき点が……☆)
コメントありがとうございます。
そうですね、心身の健康こそが全ての源です。元気がなければ何事もうまくいきません。
しかし、全てはイラストの為、です。私の場合はイラストですが、何のために生きていくかは人によって違うと思います。
でも、健康第一なのは全てに共通するポイントですね。